快眠コンソーシアム
眠りについて知ろう
No.10 寝相は悪いより良すぎるほうがよくない?

「No.8 体に合った寝具を選ぼう〜マットレス編〜」で述べたように、寝返りをうつことはとても重要なことで、一晩の間に誰でも自然に10〜20回の寝返りをうちます。しかし、それによって寝姿勢が変わりますが、その姿(寝相)が悪いことを良くないと思っている人も少なくないよう。そこで今回は、そんな誤解をとくために寝返りのメカニズムについてご紹介します。

大人より子どものほうがよく動く

 寝相が悪いのは良くないことと思っている人がいますが、それは大きな間違い。睡眠は、脳を積極的に休息させる時間。熟睡していれば当然、自分の姿勢をコントロールする脳の運動野、頭頂連合野、小脳の働きも低下します。そのため、姿勢を制御できず、寝相が悪くなりますが、それは、熟睡を示す重要な生理現象のひとつといえます。ただし、暑さや無呼吸などによる寝苦しさでおこる寝返りや、夢遊病、夜驚症といった病気とは違うので注意して。

 子どもの場合はむしろ、ほとんど動かない寝相の良い子どものほうが、脳や神経系の発達に問題があるといった報告が多く、大胆な寝返りや寝相の悪さは、活力のある証拠といわれるほどです。実際、子どもの頃は寝相が悪くてベッドから落ちたり、朝起きたら頭と足の位置が逆さになっていたという経験をした人も多いかと思いますが、大人になってからはほとんどなくなるはず(小学生くらいまではよく動く)。それは、成人になると睡眠中でも姿勢制御機能が部分的に働くためですが、高齢者ほど動かなくなるといわれるように、年をとるほど活力も熟睡度も低下するためだと考えられます。

子どもの寝床は自由に動ける広さを確保して

 寝相が悪いことはマイナスではないとわかっても、ベッドから落ちてしまうのは防ぎたいもの。でも、だからといって寝返りがうてないような狭い場所に子どもを寝かせるのはNG。もちろん、大人にとっても良いことではありません。大人も子どもも体に合った枕やマットレスを用意し、自由に寝返りがうてる広さの寝具を用意することが大切です。理想的には両手を広げた幅が良いといわれますが、日本の住宅事情を考えると大人も子どもも最低シングルサイズの広さは確保したいものです。自由に寝返りをうつことで無意識のうちに楽な姿勢をとっているといわれ、それによって筋肉の緊張や疲れがとれて、成長も促されるといわれています。

 以前述べたように、寝返りは、体温を調節する。血液循環を促す。寝床内の温度を保つ。熱や湿気を発散するといった役割がありますが、同時に身体の歪みや筋肉の緊張も和げているのです。

 どうしてもベッドから落ちるのが心配な場合は、寝相が落ち着く小学生くらいまではベッドの高さを低くしたり、蒲団に替えたりすると良いでしょう。また、寝相が悪いと蒲団から身体が出てしまい、風邪を引きやすくなることがあります。これから日に日に寒くなる季節ですから注意が必要。体調を崩さないようパジャマは必ず着用し、蒲団のサイズを大きめにしたり、少し重いものに替える(重過ぎると寝返りを妨げるのでNG)などして身体が冷えないよう工夫しましょう。とくに、昔から言われるようにお腹は冷やさないこと。パジャマだけでなくランニングやTシャツといった下着を着たり、パジャマの上着はパンツの中に入れたり、ときには腹巻きなどを利用してみるのもよいでしょう。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
参考図書:『睡眠とメンタルヘルス』(ゆまに書房)監修=上里一郎・編=白川修一郎
 
 
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