帯芯製造から寝具メーカーへ

　「枕といえばロフテー、ロフテーといえば枕」。といわれるほど、枕を中心とした寝具製造で成長し続けているロフテー。

「ロフテーの前身である三芯商会は、呉服全盛時代に帯芯を作るメーカーとしてスタートしました。その後、シーツ、タオルを中心とした寝装品のギフトを極め、現在では枕を中心とした寝具（＝横たわるための道具）から眠具（＝眠るための道具）のメーカーへと移行していったわけですが、枕の開発に取り組んだきっかけは、マーケティング部門である「快眠スタジオ」が月に一度開催した眠りの相談会でした。そこを訪れたほとんどの方が枕に関する悩みを持っていたことから、枕は重要なアイテムだと確信したのです。日本はもちろん世界各国の枕を集め、研究を重ねました」

　そんなコレクションもいつしかかなりの量となり、「ねむり文化ギャラリー」を開館するまでに。

「残念ながら、ギャラリーは現在なくなってしまいましたが、ギャラリーをオープンしたときは、ロフテーという社名は出さず、文化事業として行なっていました。見識者を招いて睡眠文化フォーラムを開いたり、眠りに関する様々な展示をしたりすることで、眠りを軽視する世の中の風潮に対し、眠りの大切さを訴えてきたのです」

「オーダーメイド枕」で一躍、有名に

「そして、われわれの枕へのこだわりは、"どうして頭の形も体の大きさも違うのに、枕は同じなの？"という疑問を追及することへと変わり、『オーダーメイド枕』の発売へとつながっていきました」

それは今から10年前のこと。頚椎（首のくぼみ）の深さを測って一人ひとりに合う高さや素材の枕を見つけるという画期的な方法は、寝具業界のみならず、一般の人たちをも驚かせることとなりました。そして、ロフテー＝枕というイメージが少しずつ認知されました。そして、眠りのソリューションに取り組む一企業として、快眠コンソーシアムに参加。

「昔は、枕の中身というとソバ殻が多かったのはみなさんご存知かと思いますが、当時は毎年ソバが採れた季節に、お母さんやおばあちゃんが家族全員分の枕を新しく作り変えるというのが一般的でした。それがいつしか既製品が一般的となり、新しく作り変えるという発想もなくなって、体型は違うのにみんな同じ大きさとなり、何年も洗わずに使い続けるという状態になってしまっていました。そのため、枕は一人ひとり違うものという発想はもちろん、枕には寿命があること、枕は良い眠りを得るのに欠かせないことなど、社長を中心にコツコツと調べてきた眠りに対する知識が、多くの方に共感をいただけたのではないかと思います。今、私がお客様によくお話しすることは、靴を購入するときは、必ず履いて自分の足に合うかを確かめるのに、枕はなぜそうしないのかということ。枕は1日7時間前後も重い頭をのせ続けるものですから、合うか合わないかで、眠りの深さも体への負担も大きく違ってくるはず。ぐっすり眠りたいという方は、自分に合う枕とはどんなものか、ぜひ一度、試していただきたいと思います」