テアニンの冷え性改善効果について ~太陽化学編~
太陽化学株式会社
今回お話を伺った方
ニュートリション事業部
研究開発グループ マネージャー
次席研究員 小関 誠さん
眠りにくくなる原因のひとつでもある冷えは何故起こる?
テアニンの冷え性改善効果についてご紹介する前に、まずは何故冷えが起こるのか、簡単にお話していただきましょう。
「冷え性は、末梢血管の血行が悪くなることで起こります。体温調節や血管の働きは、自律神経によってコントロールされています。自律神経は交感神経と副交感神経に分類されますが、交感神経は血管を収縮させる方向に働き、副交感神経は血管を広げる方向に働きます」
つまり、冷えは、交感神経が優位になったときに起こりやすいんですね。たとえば、それはどんなときに起こりやすいのでしょう?
「ストレスを感じたときがそうです。緊張状態になると交感神経の活動が亢進して、末梢血管は収縮してしまいます。また、自律神経が失調したときも冷えが起こりやすくなります。通常、身体は暑さを感じると血管を拡張し、汗を出し、体温を下げる。寒いと血行を促して、体温が下がらないようにするといった体温調節機能が備わっているのですが、自律神経のバランスが崩れ、体温調節機能が低下すると、冷えをはじめ、肩こりや頭痛などの体調不調が起きやすくなります。自律神経失調の原因にはストレスも関わっていますし、不規則な生活なども原因としてあげられますが、夏のクーラーも大きな原因だといわれています」
いわゆる『冷房病』ですね。クーラーの効いた室内と、高い気温の屋外との温度差で、自律神経のバランスが崩れてしまうんですね。でも、冷えが女性に多いのはどうしてでしょう?
「女性は男性より水分を溜め込みやすく、筋肉が少ないために熱を出す力も弱いといわれます。通常、血液は手足の末梢で冷やされます。その冷えた血液は静脈を通って身体に戻ってきますが、男性と違って生殖器が身体の中にある女性の場合、身体を冷やさないように防御機能がより強く働くのかもしれません。そのため、生命にとって重要な生殖器や内臓の熱を下げないために、まず手足の末梢血管を収縮させ、血液を冷やさないように働くと考えられます」
テアニンの冷え性改善効果について
冷えは健康によくないだけでなく、眠りにくくなる原因のひとつ。ぜひ、解消したいものです。
「今回、そんな方にぜひご紹介したいのが、テアニンの冷え性改善効果です。今回、自律神経系を指標として、20~40代の健常成人を対象に、偽剤(プラセボ)をコントロールとした実験研究を行ったところ、『L-テアニン(テアニンの学術的名称)』に冷え性改善効果が期待できることがわかりました。
実験の40分前に、テアニンまたはプラセボを服用してもらい、手の平を1分間、10℃の氷水に浸けてもらいました(冷水負荷)。その後、サーモグラフィーを使って冷水負荷後の手指の皮膚表目温度の推移を測定し、回復率を調べてみたところ、テアニンを服用した時に回復が早いことが確認されました。また、自律神経系も冷水負荷後の交感神経活動が低下し、副交感神経活動が活発になることも認められました。このことから、『L-テアニン』には末梢血管の血行障害である冷え性の改善に効果が期待できることがわかったのです」
神経が高ぶってリラックスできないという人はもちろん、冷えが気になるという人は、テアニンを試してみるのもいいかもしれません。