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眠りについて知ろう

No.5 眠りと光

良い眠りを得るには体内時計を乱さないことが大切ですが、その時計を正しく動かすには「光」(明るさ・暗さ)が大きなカギに。朝、夜、それぞれに必要な明るさを知って、眠りの質を高めましょう!

光の浴び方次第で、睡眠覚醒リズムは乱れやすくなる

 人の概日リズム(1日のリズム)には24±4時間程度の幅があり、太陽の光によって24時間に調整されることは、No.2の「快眠を得るカギは体内時計にあり」で述べましたが、もし、本当に太陽の光を浴びないとどうなるのでしょう。

 それを実際に試した実験が報告されていますが、太陽の光や時計のない部屋で数日間、好き勝手に生活させたところ、睡眠覚醒リズムは太陽のリズムからどんどんズレてしまったそうです。

 こういった状態のことを、専門用語でフリーラン(太陽の動きと同調せず、自由に動いている)といいますが、この状態が実際の生活で起こると、朝起きられ なくなったり、寝るべき時間に眠れなくなるなど、社会生活に支障をきたすだけでなく、体調を崩す可能性もあるので注意が必要です。というのも、体には睡眠 覚醒リズムだけでなく、体温のリズム、自律神経のリズム、ホルモンのリズムなど、いろいろなリズムが存在し、互いに同調しあって健康を保っているからで す。睡眠覚醒リズムは体温のリズムほど光に左右されないため、フリーランを続けていると、体温のリズムと睡眠覚醒リズムが同調しなくなり、朝起きても体温 が低い状態が続いて目覚めが悪くなったり、体の機能がバラバラになるなどして、体調不良を起こしてしまうことがあるのです。

「朝は明るく、夜は暗く」が鉄則!

 体内時計を正常に動かし、体温のリズムや睡眠覚醒リズムといったさまざまなリズムを同調させるためには、「朝は明るく、夜は暗く」を心がけることが大切です。

 朝、明るい光を浴びると、体内時計は24時間に再調整され、他のリズムとも同調して動き始めます。しかし、夜、明るい光を浴びてしまうと、脳にある睡眠 覚醒リズムを支配する体内時計が遅れていくので、注意が必要です。光は、覚醒度を上げ、交感神経活動を活発にするほか、睡眠安定効果のあるホルモン「メラ トニン」の分泌にも影響を及ぼします。メラトニンは、明るくなると分泌が止まり、暗くなると分泌し始めるというユニークな特性をもっているため、朝起きた ときに光を浴びるとすっきりと目覚められるようになります。夜になって明かりを落とせば、脳は睡眠モードに切り替わり、自然な眠気を誘い、眠りやすくなり ます。

 逆に、朝になっても暗い部屋にいるとメラトニンの分泌が止まらないため、眠気がとれなかったり、夜になって明るい光を浴びてしまうと、脳が覚醒モードになってしまうために、なかなか眠たくならないということが起こるので注意しましょう!

 メラトニンは、500ルックス(通常の室内照明は150~500ルックス)以上の光(青白い短波長の光がより効 果的)によって分泌が抑えられるといわれていますが、すっきりした目覚めを得るには、朝は、起床時に1000ルックス以上の強い光(太陽の光がベスト)を 浴びるのがよいといわれています。また、体内時計を再調整するには、起床から約3時間後までに外光を浴びるのがポイントです。

 夜は、150ルックス未満の照明にし、とくに就寝の1時間前からは暗めの暖色系の照明にすると、脳の興奮や交感 神経の活動亢進も低下し、眠りやすくなります。メラトニンの分泌も促され、睡眠の前半の安定した眠りが得やすくなります。睡眠中は、さらに暗くすることが 好ましい(ろうそくの半分程度の明るさである30ルックスの光でも眠りの妨げになることがあるといわれています)のですが、まったくの暗闇は、気持ちを不 安にさせたり、夜中に起きたときに周囲が見えずに転んでケガをする危険があるので、月明かり程度の3ルックス程度の照明を用意したり(ただし、光源が直接 目に入らないようにし、トイレや廊下の照明にも留意する)、遮光カーテンなどで外光を調節するようにするとよいでしょう。

 夏は太陽が昇る時間が早いため、起きたい時間よりも前に目が覚めてしまうということがあります。それを防ぐためには、ベッドの位置を東窓からずらしたり、遮光カーテンなどを利用して光を遮断し、起きたらすぐにカーテンを開けるようにするとよいでしょう。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
監修:国立精神神経センター・精神保健研究所 医学博士 白川修一郎先生

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会