No.7 体に合った寝具を選ぼう~枕編~
枕の役割は?
枕というと、頭をのせるものと思いがちですが、正確にいうと、敷布団と頭部・頸部の間にできるすき間を埋めるのが枕です。頭だけをのせ、首が浮いた不安定 な状態で寝てしまうと、起きたときにコリを感じたり、寝違えやすくなったりする可能性があるので注意して。というのも睡眠中は筋肉が弛緩する(自分ではコ ントロールできなくなる)ため、不安定な状態で寝てしまうと、不自然に曲がって負荷がかかりやすくなるためです。頭部と頚部のすき間が自然に埋まるような 枕を選びましょう。
適した枕は人によって違う
後頭部を見てみても絶壁な人もいれば、丸みのある人もいます。また、頚椎弧(首のカーブ)のくぼみも深い人もいれば、そうでない人もいます。つまり、敷き 布団と頭部・頚部の間にできるすき間は人によって異なるため、自然体(頚椎に負担をかけない姿勢)で眠るには体形に合った枕を選ぶことが大切です。
頚椎に負担をかけない姿勢とは?
睡眠中はいろいろな姿勢になりますが、リラックスして立っている状態がもっとも負担が少ないラクな姿勢だといわれているので、この状態を寝ているときにも 保てることが理想です。横向きでないと眠れないという人も、実は枕が合っていないことが原因で、自分に合った枕に変えたらあお向けで寝られるようになった というケースもあります。頭をのせたとき、横から見て、あごが上がってしまう枕や、逆にあごが下がりすぎるような枕は合っていないので見直して。合わない 枕を使っていると、首や肩の筋肉が緊張して凝るだけでなく、血流も悪くなってしまうことが。寝返りがやたらに多い。いびきをかく。枕をはずしてしまうこと が多い。顔がむくむ。口呼吸になってしまう。首にシワが増えたという人は、枕が合っていない可能性があるので注意しましょう。
枕選びの3つのポイント
1)枕の高さが自分の体形に合っている
理想的な枕の高さは、体形や首のカーブ(頚椎弧)の深さによって異なります。
ロフテーでは、頚椎弧の深さを計測し、身体に合う高さを提案しています。
2)頚椎を支える基本構造であること
高さを合わせても、寝ている間に中身が偏ってしまうような枕では理想の姿勢は保てません。素材すべてがひとつの袋に入ったものより、独立したパーツが連結 しているようなユニット構造のものを選ぶとよいでしょう。また、後頭部のおさまりが良いように中央は低め、寝返りをうって横向きになってもラクなように、 両サイドは高めになっている枕で、左右に寝返りをうっても頭部や頚部を支えてくれる大きさがあるのが理想です。
3)好みに合った素材を選ぶ
枕の素材にもいろいろありますが、素材に関してはどれがいちばんというものはありません。感触、音、香りなど、自分の好みに合っていることが大切。ただ、 密着度が高く、通気性のよくない枕は、夏に使うとムレてしまうことがあるので、季節によって使い分けるとよいでしょう。
枕にも寿命がある
ずっと同じ枕を使い続けている人もまだまだ少なくないようですが、昔ながらのソバ殻も毎日使っていると形が崩れてきます。素材によって寿命が異なります が、1~5年ごとに買い換える(中身を交換する)ことが必要。また、頭部は汗をかきやすい部分なので、ピローケースはまめに洗い、枕ごと洗えるものは定期 的に洗うようにして清潔に保ちましょう。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
取材協力:ロフテー株式会社 快眠スタジオ副所長 安達直美氏