No.16 40代女性がもっとも睡眠不足
日本人の睡眠時間は、年々短くなっているといわれていますが、2005年NHK放送文化研究所が行なった国民生活時間調査の結果では、もっとも睡眠時間が 短いのは、なんと40代の女性。2000年に行なった同調査でも6時間47分(平日)と、すでに7時間を切っていましたが、2005年ではわずかですが、 さらに短くなり、6時間43分(平日)という結果に。睡眠不足というと、女性より男性のほうが寝ていないというイメージがありますが、実は女性のほうが 眠っていないのです。
どうして上記のような結果になるのか。男性は少し耳が痛いかもしれませんが、近年、女性はどんどん社会進出を果たし、家計の重要な担い手となってきていま す。その一方で、それまで女性のものとされていた家事や子育てが分担されるようになったかといえば、NO。下記は家事分担の時間を示したものですが、40 代で比較してみると、女性は5時間3分(平日・全員平均時間)なのに対し、40代男性はわずか25分(平日・全員平均時間)です。
少し古い資料ですが、1995年にNHK放送文化研究所が国民生活時間を国際調査したところ、日本男性の家事時間は、カナダ、アメリカ、イギリスなどと比較して最下位に。
男性は仕事だけで済むけれど、女性は仕事も家事も子育ても求められているという姿が想像できるわけですが、このことは、単に睡眠時間の問題ではなく、最近 問題になっている晩婚化や少子化にも影響すること。また、熟年離婚が増えると危惧されているように、夫婦間の問題にも発展しかねません。ただ、男性の睡眠 時間も7時間程度と、決して長くはないことから、日本人は男女とも家庭や個人の生活を犠牲にして余裕なく生活をしているとも言えます。今のままでは健康被 害が増えるだけでなく、夫婦間の問題も増えることが予想できます。今まで睡眠時間は個人の問題と放置されてきましたが、ここまで社会が忙しくなってくると それも限界。早急に社会全体の問題として捉え、仕事のあり方や、睡眠時間を含め、家庭で過ごす時間を見直すことが必要だと言えるのではないでしょうか。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美