No.22 寝具はきちんとメンテナンスしよう
毎日使うものだから清潔が第一
あなたが今使っている枕や布団は、いつ購入したものでしょうか? 購入した日から今まで、中身を洗ったことはあるでしょうか? ピローケースや シーツはまめに洗濯しても、枕や布団本体は軽く干すだけで何年も変えていない。そんな人が少なくないようですが、それってちょっと変だと思いませんか?
でも、昔から布団は何年も洗わずに使うのが習慣なのでは…? そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、昔の 人は、側地(がわじ:布団などの表地や裏地の総称)は繰り返し使っても、ソバが採れた季節にはおばあちゃんやお母さんが枕の中身を新しくしてくれたもので すし、布団も中綿を取り出して天日干しをし、布団を打ち直すということをしていました。それがいつしか行なわれなくなったのに、枕や布団は何年も替えな い・洗わないという間違った習慣が一般化してしまっているようです。
枕や布団は毎日使うものですし、睡眠中にはコップ1杯もの汗をかくといわれています。とくにこれからの季節は、温度湿度とも上がりカビやダニも発生しやすくなるので、寝具を清潔にメンテナンスすることが必要になります。
日頃から湿気がたまらないよう寝具は風通しのいい環境に置き、定期的にクリーニングまたは自宅で洗うことをオススメします。洗えない寝具は日に干すか (寝具によっては日干しではなく陰干しのものも)、布団乾燥機でケア。その後、できれば掃除機で表面を吸い取るようにすると汗やホコリだけでなく、アレル ギーの原因となるカビやダニを防ぐことができます。
枕や布団にも寿命がある
定期的に洗っているという人でも、同じ寝具を何年も使い続けるのは良い眠りのためには好ましくありません。昔の人も枕のソバ殻を取り替えたり、布団を打 ち直していたように、中身には寿命があります。ソバ殻などの天然素材は通気性がよく、とても気持ちのいいものですが、使っているうちに殻が割れたりカビや 虫が発生しやすいので、1年に1度は取り替えるのが理想です。また、布団についても腰の部分など、体重がかかる部分はへたりやすく、腰痛などが起こる原因 にもなりますし、敷き布団は汗をもっとも吸うものなので、やはり定期的に買い換える必要があります。下記は枕の主な素材とメンテナンスについて表したも の。最近寝具を替えていないという人は、ジメジメした梅雨がやってくる前に、一度、見直してみてはいかがでしょう?
枕の素材とメンテナンス
素材 |
硬さ |
特長 |
デメリット |
メンテナンス |
洗濯 |
交換の目安 |
羽根 | 柔らかめ | 吸湿性・放湿性にすぐれ、復元力が強い(ただし、雨期にはへたりやすい)。 | 羽根に対するアレルギーがある人は避けたほうがよい。使い初めに独特の臭いがある。 | 週に1度の陰干し。干した後、両側から軽く叩いて中の羽毛をほぐす。家庭で洗う場合は中性洗剤で押し洗い。 | △ | 2~3年 |
ポリエステルわた | 柔らかめ | ふんわりと柔らかな感触でへたりにくい。わたボコリが出にくい。 | 吸湿性がほとんどない。 | ときどき日光乾燥をする。干した後、両側から軽く叩いて中のわたをほぐす。 | ○ | 1~2年 |
絹わた(シルク) | 柔らかめ | 吸湿性がよい。長繊維なので中身の片寄りが少なく、ホコリが出にくい。 | へたりやすい。 | ときどき陰干しをする。干した後、両側から軽く叩いて中のシルクをほぐす。 | × | 1~2年 |
低反発 ウレタンフォーム |
柔らかめ | クッション性にすぐれ、頭を乗せたときのあたりが柔らか。 | 吸湿性がほとんどないので、夏はやや暑く感じる。 | 週に1度の陰干し。布団乾燥機は避ける。 | × | 2~3年 |
ソバ殻 | 硬め | 吸湿性がよい。独特のひんやりした感触が得られる。 | 放湿性にやや劣る。ソバ殻がつぶれると粉が出るので、喘息の場合は避けたほうがよい。 | 頻繁に日に干し、乾燥した状態を保つ。湿気を多く含んだままだとカビが生え、ダニなどが寄ってくる原因となる。 | × | 1年 |
ソバ殻・ヒノキチップ入 | 硬め | ヒノキの香りが精神の興奮を鎮め、防虫効果もあり衛生的。 | 放湿性にやや劣る。ソバ殻がつぶれると粉が出るので、喘息の場合は避けたほうがよい。 | 頻繁に日に干し、乾燥した状態を保つ。湿気を多く含んだままだとカビが生え、ダニなどが寄ってくる原因となる。 | × | 1年 |
パイプ(ポリエチレン) | 硬め | 通気性がよい。ホコリや虫の心配が少ない。ソバ殻に似た感触。 | 吸湿性がない。(吸湿性の高いピローケースを選ぶとよい)。 | 洗濯ネットに入れ、洗剤を少なめにして洗濯機の弱流で洗う。柔軟性仕上剤を使用するとよい。 | ○ | 4~5年 |
マルコビーンズ(ポリエチレン) | 硬め | 通気性がよい。ホコリや虫の心配が少ない。パイプよりあたりが柔らか。 | 吸湿性がない。(吸湿性の高いピローケースを選ぶとよい)。 | 洗濯ネットに入れ、洗剤を少なめにして洗濯機の弱流で洗う。柔軟性仕上剤を使用するとよい。 | ○ | 4~5年 |
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
参考資料提供:ロフテー