No.36 冬は冷えと乾燥にご用心!
冬の夜は、足先だけでなく、お腹や首も温めて!
通常、体は寒さを感じると、体温調整機能が働いて血管を収縮させ、熱を逃がさないようにします。でも、季節の変わり目や、急に気温が下がる時季は、うまく収縮できずに冷えてしまったり、極端に収縮しすぎて血流が悪くなってしまうことがあります。
新鮮な酸素や栄養を運ぶ動脈の血液は、心臓によって勢いよく流れ出ますが、老廃物や二酸化炭素を含む体液や血液を回収する静脈やリンパは、心臓のようなポ ンプがないため、血管が収縮するとてきめんに流れが悪くなります。すると、前回の記事でもお話したように、むくみも起こりやすくなるのですが、むくみの正 体は、老廃物や二酸化炭素、脂肪、タンパク質、さまざまな菌などを含む体液です。そのため、静脈やリンパの流れが滞ると、体が冷えるだけでなく、老廃物や 脂肪・タンパク質などがたまり、細胞は酸欠状態となり働きが弱くなります。また、ウィルスも回収されないまま残るため、疲れやだるさが起こります。体温が 下がると、胃腸の働きも鈍り、消化力や免疫力も低下してしまうのです(腸がカバーしている免疫力は、体全体の70%程度にものぼる)。
そのまま放置していると、さらにむくみやすくなる、免疫力が弱くなる、疲れる、体が冷える、太りやすくなる(体液は脂肪細胞の栄養になり、脂肪細胞が大き くなると、血管やリンパを圧迫してますます流れが悪くなり、セルライトという分解されにくい脂肪細胞が発生する)など、体にとってはマイナスなことが次々 と起きてしまいます。
とくに心臓から遠い下半身は重力の影響で体液がたまりやすいので、むくみがひどい、足が冷たいと感じたら、運動や入浴などをして体をしっかり温めることが大切です。
乾燥にも気をつけましょう!
すでに空気が乾燥してきましたが、気温が下がる冬は相対的に湿度も低下します。空気が乾燥すると、お肌が乾きやすくなるだけでなく、ウィルスなどの菌が空 気中に舞って風邪などを引きやすくなるので気をつけましょう。とくに、普段から口呼吸をしている人は要注意。鼻呼吸をしていれば、鼻腔によって吸った空気 が少し温められるため肺への負担も少なく、さらにホコリやウィルスもシャットアウトされます。
しかし、口呼吸をしていると、冷たい空気がいきなり肺へ流れ、さらに喉の粘膜にはウィルスなどが付着しやすくなります。その結果、風邪や肺炎などが起きや すくなるのです。予防としては、起きている時は意識をして鼻呼吸をするようにし、手洗いうがいをしてマスクをすること。また、睡眠中は無意識のうちに口呼 吸になりやすいので、そうじをまめにし、空気清浄器などを使って部屋の空気をキレイにし、加湿器などを使って乾燥を防ぐことが有効です。
乾燥は皮膚のかゆみなどの原因にもなりやすく、眠りの妨げにもなるので、乾燥が進む冬は体をゴシゴシ洗わないようにし、入浴後は保湿クリームなどを利用しましょう。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美