No.42 レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠には浅い眠りと深い眠りがある
いろいろな研究から、私たちの眠りは、時間が経過するごとに浅くなったり深くなったりすることが判明しています。その変化は、脳波、眼球運動、オトガイ筋 (あご)の筋電位を同時に測定する睡眠ポリグラフ記録で知ることができ、今では国際判定基準が策定されており、睡眠段階1~4(1は覚醒に近い浅い眠り で、4はもっとも深い眠り)と覚醒に分けられます。
レム睡眠とは?
入眠から1時間くらい経つと、脳波は睡眠段階1を示すのに、骨格筋の緊張が著しく低下し、オトガイ筋の数値は最低水準まで低下します。さらに、まぶたが左右に急速に動く眼球運動(REM=Rapid Eye Movement)が認められるようになります。この段階を、レム睡眠といいます。
睡眠の大きな役割は、大脳を休息させることですが、レム睡眠時は大脳が活性化している時間と考えられていて、夢を見ることが多いといわれています。最近では、単に夢を見ているだけでなく、記憶などが整理されている時間だと考えられています。
ノンレム睡眠とは?
レム睡眠に対し、睡眠段階1~4は急速な眼球運動が見られないことからノンレム(NREM=Non-REM)睡眠と呼ばれます。この時間はまさに大脳が積極的に休息し、大脳を鎮静化させる眠りといえます。
レム睡眠とノンレム睡眠は交互に現れる
人の場合、一晩のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠が4~5回交互に出現し、1回のレム睡眠とノンレム睡眠を合わせると、約90分になるといわれています。また、もっとも深い睡眠を示す睡眠段階3~4(ゆっくりとした脳波が見られることから徐波睡眠ともいいます)は、睡眠の前半に集中して出現し、最初の3時間で一晩の深い眠りの80~90%を占めるといわれています。それに対し、睡眠段階2とレム睡眠は、睡眠の後半に多くなります。
つまり、大脳の疲れをとるには、入眠後3時間の眠りを安定させることが重要だといえるのですが、すでに述べたように、レム睡眠にも重要な役割があることが わかってきているので、3~4時間の睡眠ではやはり不十分。脳と体を十分休め、能力を最大限に生かすためには、7時間程度はしっかり眠るようにしましょ う!
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美