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眠りについて知ろう

No.43 動物の眠り - その1

今回は、人以外の動物の眠りついてご紹介。動物の生態を知ると、眠りがいかに命と関わっているかがわかってきます。もうすぐ春。この記事を読んだら、動物たちの不思議を見に、動物園や水族館に出かけてみませんか?

ナマケモノはやっぱりナマケモノ?

動物の眠りは時間も形態も種によって実にさまざま。魚やカエルなどは、体を休めるだけの睡眠(原始睡眠と呼ばれます)形態しかなく、哺乳類以上になると人と同じように、逆説睡眠*と徐波睡眠*が見られる(小さい動物には逆説睡眠が多い)ようになります。

動物の眠りは生活環境、気温、食事の内容などに影響されることが考えられ、種ごとに進化や変化が見られます。ちなみに、恐竜には体温調節機構があり、徐波 睡眠や逆説睡眠があったという学者は多く、かつて恐竜が生存していたころは人も夜行性で、恐竜が絶滅してから昼行性になったといわれていています。

逆説睡眠(Paradoxical Sleep)=眠っているのに脳は覚醒に近い状態にありますが、身体の筋肉は弛緩し、揺り起こしてもなかなか目覚めない。人の場合でいうレム睡眠のことですが、必ずしも眼球運動が起こるわけではないため、こうよばれます。

徐波睡眠(Slow Wave Sleep)=人でいうノンレム睡眠にあたります。ゆっくりとした脳波が見られることからこう呼ばれます。

主な動物の睡眠時間は下記の通りですが、ナマケモノという名前の由来通り、1日20時間も眠る動物もいれば、ウマやヒツジのように2~3時間程度しか眠ら ない動物もいます。ただ、長く眠る動物でも、人のように何時間も連続して眠る動物はとても少なく、人の眠りが、他の動物に比べて特異に成長した大脳を休息 させる独特の睡眠だということがわかります。

動物の1日あたりの推定睡眠量

(1977年 Meddis“Sleep Instinct”参照)

睡眠時間 種類
20 オオナマケモノ
19 キタオポッサム、オオチャイロコウモリ
18 オオアルマジロ
17 ヨザル
16 北極リス
15 トガリネズミ
14 ネコ、ハムスター
13 イヌ、マウス、ラット、ハイイロオオカミ、リス
12 北極ギツネ、チンチラ、ゴリラ、アライグマ
11 ビーバー、ドウケザル
10 ジャガー、ベルベット、モグラ、ハリネズミ
9 チンパンジー、ヒヒ、キツネ、リスザル
8 ヒト、ウサギ、モルモット、ブタ
6 ハイイロアザラシ、ハイイロハイラックス、ブラジルバク
5 イワダヌキ(ハイラックス)
4 キリン
3 ウシ、ウマ、アジアゾウ、アフリカゾウ、ロバ、ヒツジ
2 ノロジカ

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会