No.53 熱中症にご用心
夜でも、家の中にいても熱中症の危険が!
今年はとても暑いためか、熱中症の方が急増しているようです。まだまだ暑い日が続きそうですから、まったく何も対策をしていないという人は、対策を考えたほうがいいかもしれません。
熱中症とは、その名の通り、暑さによって引き起こされる体の不調で、体温調節の機能障害や脱水、内臓の機能不全などが起こります。具体的な症状としては、疲労感、痙攣、失神、めまい、嘔吐、意識障害、過呼吸などがあげられますが、重症の場合は命にかかわることもあります。
熱中症というと、日中、炎天下に出ることで起こると思っている方もいるかもしれませんが、それだけではなく、実は夜間でも、家の中にいても起こることがあ ります。都会ではヒートアイランド現象により夜間になっても気温が下がりにくく、日中の熱が建物の壁などに吸収されて室内にこもりやすくなります。そのた め、室内はサウナのような状態となり、油断していると、夜間でも、家の中にいても、熱中症になってしまうことが! 乳幼児や高齢者は体温調節機能が低く、 喉の渇きも感じにくいのでとくに注意が必要です! 高温多湿の状態では、体の熱がうまく放熱できにくくなるため、熱中症が起こりやすくなります。また、熱 中症にならずとも暑さで寝苦しくなったり、深部体温がうまく下がらず、眠りにくくなり、夏バテの原因になるので気をつけましょう。
高齢者の方の中にはエアコンは体に悪いと誤解して、まったく使わなかったり、トイレが近くなるからと水分をとらない人もいます。また、防犯の観点から、そ んな状態にも関わらず、窓を閉め切って眠ってしまう人もいます。でも、そんな状態で過ごすのはかなり危険! とくに睡眠中は、水分をとることができないの で、脱水状態となり、朝起きた途端に心疾患などが起こってしまう危険もあります。それを示すように、夏は心筋梗塞になる人が意外に多いといわれています。
夏はまめな水分補給と休養を!
熱中症を防ぐためには、まず、まめに水分をとること。喉が渇いたときにはすでに脱水に近い状態になっているといわれ、補給した水分が体全体に運ばれるまで にはタイムラグがあるので、早め早めに水分補給をすることが大切です。喉の渇きを感じたときだけガブガブ飲むのではなく、喉が渇く前に少量の水を、こまめ にとるようにするとよいでしょう。とくに、朝起きたとき、夜眠る前の水分補給は忘れずに。また、汗と一緒に体のミネラルも不足してしまうので、塩分や糖分 も適度に補給するようにしましょう。真水(軟水)だけではなく、ミネラルウォーター(硬水)や麦茶、梅干入りのお水やスポーツドリンクを時々飲むようにす ると、手軽に補給できます。ただし、冷たい水や、ビール、コーヒーなどの飲みすぎには気をつけて。冷水は胃の調子を悪くしたり、冷えの原因になることがあ ります。また、ビールやコーヒーなどは利尿作用が強く、脱水を進めてしまうことがあるので飲みすぎにはご用心!
水分補給に加え、気をつけたいのが室温の調整です。冷やしすぎはよくありませんが、気温30度を越えるようなときは、何らかの方法で室温調整が必要です。 エアコンが苦手な人は、直接体にあたらないように工夫をし、隣りの部屋のエアコンをつけておいたり、扇風機を併用して気流を作ると、冷やしすぎを防ぐこと ができます。また、部屋の中でじっとしていると、室温に対して鈍くなってしまうので、時々体を動かしましょう。汗をかくのがイヤだと感じられる方もいるよ うですが、汗には体の熱を下げ、余分な水分を排出する働きがあるので、適度に汗をかくことは必要です。水分を補給しても、ただため込むだけでは脱水を防ぐ ことはできず、体がむくむ原因に。血液循環をよくして水分を体全体に行き渡らせ、古い水分を老廃物と一緒に汗や尿として排出し、水を循環させることが大切 です。普段運動不足の人や代謝が良くない人は、汗をかきにくく、その結果、熱が体にこもったり、余分な水分がたまって体調を崩してしまうこともあるので、 日頃から汗をかける体に整えておくことも大切です。
暑さにより体は疲労するので、軽くお昼寝(長すぎると夜の睡眠に影響するので気をつけて)をし、夜は十分に睡眠をとって体を休めましょう。そうすれば、熱中症や夏バテから体を守ることができるはず!
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美