No.56 あなたは誰と眠る?
*寝室環境や寝具の選び方については過去の記事をお読み下さい。
一人か二人か、自分たちのスタイルを見つけましょう
二人で眠ることのメリットは、肌が触れ合うことの心地よさや、安心を感じられることですが、デメリットは、パートナーの動きや体温、いびきなどの音で眠りが妨げられること。また、寝返りが自由にできない可能性があることなどがあげられます。
一人で眠るか、二人以上で眠るか、どちらがいいのか決定するのはなかなかむずかしいものですが、50代以降の日本人を対象にしたある調査では、夫婦別々の ベッド(布団)で寝ている、または別室で寝ているなど、一人で眠っているという人が半数を超えたという結果が出ています。同じ家族でも夫、妻、子どもとそ れぞれ生活時間は異なりますし、日本人の生活は忙しく、多くの人が睡眠不足ぎみ。そのため一緒に眠るパートナーによって眠りが妨げられる可能性があること は大きなデメリットと言えるかもしれません。家庭の事情がそれぞれ異なるので、一概に一人で眠るか二人で眠るか、どちらが良いとは言えませんが、眠りの状 態が良くないと思う方は、一度夫婦で話し合ってみるとよいでしょう。ベッドはひとつでも掛け布団を別々にする、ベッドをダブルからシングル2つに替えてみ る、夏や冬など、体感温度の差が大きい時季だけ別室で眠るなど、ちょっと環境を変えるだけでも寝心地は変わるので、各ご家庭にとって快適なスタイルを考え てみてください。
子どもとはいつまで一緒に眠る?
欧米では夫婦は同室、子どもは赤ちゃんの頃から子ども部屋で眠るというのが一般的ですが、日本では、子どもが幼いうちは川の字になって家族全員で眠るとい うご家庭も少なくないようです。でも、子どもと一緒に眠ることについてもメリットとデメリットがあります。子どもにとって、お父さんお母さんは何よりも安 心を感じる存在。そのため、一緒に眠るのはメリットになります。でも、子どもが寝るべき時間に家族全員で眠るのは現実的にむずかしいため、一緒に寝ようと すると寝る時間が遅くなってしまうか、子どもが寝入った後に両親がベッドに入ることになり、一度寝入った子どもを起こしてしまう可能性があります。帰りが 遅いお父さんの中には、つい子どもの顔を見たくて寝入った子どもを起こしてしまったり、子どもが眠っているのに照明をつけてしまう方もいるようですが、そ れは禁物です!
子どもは大人以上に睡眠時間が必要なので、十分な睡眠時間と自由な寝返り、そして安定した眠りを与えるには、寝付く時は親が添い寝をし、寝入った後は一人 で寝かせたほうがよいかもしれません。日本の住居事情により子どもを別室に寝かせたくてもできないというご家庭もあるかもしれませんが、授乳期が過ぎ、夜 の眠りが安定し始めたら、できるだけ静かな環境を与えてあげましょう。親にとっても小さな子どもと一晩一緒に眠ることは、無意識のうちに子どもの存在が気 になり、寝返りができなくなったり、眠りが浅くなってしまう原因に。子どもはかけがえのない存在。そのため、夜も一緒にいたいと考える方も多いと思います が、可愛いからこそ、きちんと寝かせてあげる、可愛い子どものために自分もしっかり眠る、そう考えてみてはいかかでしょう。
ペットと一緒に眠る人が増えている?
最近ではペットと一緒に眠るという人も増えているようです。でも、ペットの場合も子ども同様、その存在が気になって寝返りがうまくできなくなったり、眠り が浅くなってしまうことがあるようです。中にはペットを優先するあまり、無理な体勢になって、寝違えてしまったという報告もありますし、逆にペットを押し つぶして怪我をさせてしまったという報告もあります。ペットも子ども同様にかけがえのない存在ですが、互いに共存し、健康に暮らすためにはペットとの眠り についても一度考えてみることをおすすめします。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美