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眠りについて知ろう

No.61 夜尿症(おねしょ)について

お子さんの睡眠に関する悩みとして、しばしば取り上げられる夜尿症(おねしょ)。つい「こら~。水ばっかり飲んでるからよ!」などと怒っていませんか? でも、夜尿症は単に水分の摂りすぎが原因ではありません。怒ることは子どもの緊張を高め、逆効果。夜尿を防ぐには、正しい知識で適切に対処してあげることが必要です。

5歳を過ぎて夜尿が続く場合は一度受診

夜尿は、子どもによく起こる睡眠中の排尿のことですが、何故、夜尿が起こるのか、そのメカニズムはまだはっきりとは解明されていません。膀胱機能や覚醒反 応、内分泌系などの未発達、また心理的要因も起因するなどといわれていますが、医学的には、5歳を過ぎても月に2回以上夜尿がある場合のみ「夜尿症」と診 断されます。つまり、5歳までのおねしょは排尿訓練の途中段階として起こりうることで、あまり問題視する必要はありません。気をつけて欲しいのは子どもへ の対応。つい子どもを叱ってしまう方がいるかもしれませんが、それは子どもに失敗体験を経験させることになり、逆効果。子どもがおねしょをしても「問題な い」と思わせるよう、寝具に工夫するなど配慮が必要です。

「焦らず、怒らず」、規則正しい生活を!

布団やパジャマが汚れてしまうため、ついつい怒りたくなってしまいますが、いちばん辛いのは本人です。5歳を過ぎれば恥ずかしさも芽ばえる頃。朝起きたら 布団が濡れている…その気まずさは本人がいちばん感じています。怒ったり、問い詰めたり、バカにするようなことは決してしないこと。誰でも緊張するとトイ レに行きたくなるように、夜尿を責めてしまうと、夜尿を引き起こす原因になったり、ぐっすり眠れなくなってしまうので気をつけて。

5歳を過ぎても夜尿が繰り返される場合は、一度、専門医に相談することをおすすめしますが、ある調査では夜尿は、4歳で30%、5歳で15~20%、6歳 で10%、10歳で5%、12歳で3%、18歳でも1~3%存在し、全体的には男性に多いといわれています。つまり、6歳でも10人に1人は夜尿が起きて いるものの、年齢を経るごとに自然治癒する場合が多いともいえるので、焦らず、怒らず、基本的な生活を見直すことから始めるとよいでしょう。8歳以降で機 能的膀胱容量が小さい場合や、昼間にも遺尿(おもらし)がある場合などは薬物療法も使われますが、まずは下記のような基本的生活を身につけさせましょう。

●規則正しい睡眠習慣を身につけさせる
睡眠覚醒リズムを整えることは、体の機能を幅広くつかさどる体内時計を調整するのに役立ちます。
●就寝前にトイレへ
眠る前にトイレに行くことで、「これで大丈夫」と本人の気持ちを安心させる効果も。
●身体を冷やさない
とくにお腹を冷やさないようパジャマに工夫を。
●濡れても対処しやすい寝具に
万が一、おねしょをしてもお手入れができるよう、防水のパットなど用意しましょう。
●怒らず、褒める
おねしょをしても問題ないと思わせるよう、失敗しても怒らないこと。また、おねしょをしなかった日は褒めて、心理的に子どもを追い込まず応援してあげましょう。
●子どものストレスに注意
心配事などがあると、睡眠中も緊張がとれず、夜尿を引き起こしたり、睡眠を浅くする原因になるので、寝る前には楽しい会話をするなどして、ストレスから解放してあげましょう。
●夜中にトイレに起こす
これに関しては、睡眠を中断することになるので、専門医と相談の上、実行を。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
参考文献:「睡眠とメンタルヘルス」編:白川修一郎(ゆまに書房)

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会